床 天真爛漫 長谷川耕生
花 万両
花入 竹寸切
脇床 羊香盒
風炉先 利休梅
風炉釜 鬼面風炉
棚 長板
皆具 上野釜高田焼
茶入 柳橋蒔絵
茶盌 薩摩焼四季花図
替 日本一
茶杓 蓬莱
茶 小倉山 小山園
菓子 花びら餅 澤村美保作
器 四角銘々皿
数茶碗 羊
梅
水仙
鳥獣草花紋
横浜Umiのいえでのお茶会も4回目となりました。
初釜ということで、今年を意識した道具組を致しました。
床には天真爛漫を。
「天真爛漫」は「無邪気」の類義語として使われることもある通り
自然のままで明るい様子です。
自然のままで明るい、といえば、当然赤ちゃんの姿が連想されます。
生後3か月も過ぎ、表情が出てきた頃、初めての笑顔を見せてくれる赤ちゃん。
身体を撫でるとキャッキャと声を上げて笑う赤ちゃん。
ハイハイで追いかけっこ。初めてのたっち・・・
赤ちゃんや小さな子ども達の純真無垢な笑顔を見ると、どんな疲れや迷いも忘れてしまいます。
その意味では、どんなに高名な和尚様の言葉より有難い存在と言えます。
「天真」は天から与えられた真の性質。
「爛漫」は型に収まりきらず、溢れんばかりに光輝く様子です。
Umiのいえのスタッフの方々は、いつもキラキラと溢れる笑顔で私たちを迎えて下さいます。
その姿を想像しながら、
今年も天真爛漫な笑顔でいっぱいの一年になります様にとの願いも込めて
この言葉を選びました。
「御勅題」というものがあります。
明治2年以降毎年、新年に行われている「歌会始」において
和歌を詠む際のお題にあたるものです。
今年、平成二十七年の御勅題は「本」でした。
今回の入選作品の一つにこのような歌がありました。
雉さんのあたりで遠のく母の声
いつも渡れぬ鬼の住む島
寝る前にお母さんに読んでもらう桃太郎のお話。
いつも雉が出てくる頃に眠ってしまって最後まで聞けない…
という、何とも微笑ましく温かい親子の触れ合いの歌です。
きっと、Umiのいえにいらっしゃるお客様たちの家でも、同じような光景が繰り広げられていることと思います。
日本における、絵本昔話の代表といえばやはり桃太郎ですね。
そこで犬、猿、雉が描かれた、桃の形をした茶盌を使用しました。
犬さんが凛々しい顔で持っている旗には
「日本一」の文字。
御勅題の「本」が書かれているのも面白いかと思い、選びました。
去年、大好評を頂きました花びら餅。
初釜といえば花びら餅を頂くのが定番となっております。
通常は白い求肥と赤い求肥で味噌餡を包みますが
お菓子を担当して下さる澤村先生が
小さなお客様に合成着色料を避けたいとの思いで
苺で自然な桃色にして下さいました。
苺にお豆、牛蒡と自然の味がとても引き立っており
昨年のものより更に美味しいと皆様とても喜んで下さいました。
一人分をペロリと平らげ、お母様の分まで欲しがるお子様の姿も何度も見られました。
私自身、umiのいえでお茶会をさせて頂く際
大きな楽しみの一つが和菓子なのですが
いつも愛情と優しさに溢れたお菓子を作って下さる澤村先生には感謝の気持ちで一杯です。
今回もお客様、Umiスタッフの皆様、お手伝い頂いた社中の皆様のお陰様で和やかな会となりました。
心より御礼申し上げます。
次回は夏の終わり頃になるでしょうか。
またの機会を心待ちにしております。
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