<広間>
著莪
紫華鬘
木通
覆輪蔓桔梗
姫小判
<小間>
春紫苑
鬼田平子
金瘡小草
覆輪蔓桔梗
姫小判
全て花の名前ですが、難読漢字クイズのようですね。
今回はこの中で、金瘡小草に注目してみました。
「キランソウ」です。
お稽古に出られた方は、「そんな花あったかしら?」と思われたかもしれません。
お稽古では、この花を別の名前で紹介しました。
「ジゴクノカマノフタ」
「地獄の釡の蓋」
です。
雑草としてどこにでも生えるこの草は、
茎や葉が地面を這うように伸び、一面を密に覆い、地面に蓋をするように見えるほどになります。
その光景は
「地獄の釡の蓋」
という表現が正にぴったりだと母も申していました。
だからといって、こんなにおどろおどろしいこんな名前をつけなくてもいいのに…と
個人的にはキランソウを不憫に思っていました。
ところが後日この草を調べると、別の側面が浮かび上がってきたのです。
このキランソウ、切傷、胃腸薬、風邪薬など、たいていの初期状態なら、何にでも効くという万能薬草なのだそうです。
「どくだみ」と肩を並べる和製ハーブの代表とまで言われているんだとか。
キランソウは、民間薬でありながら昔から知られており、
漢方薬の薬局でもキランソウの名で乾燥葉を販売しているそうです。
少し調べただけでも、かぶれのような皮膚炎から高血圧、リウマチまで薬効の幅広さに驚きました。
「ジゴクノカマノフタ」という名前も
地獄の釜に蓋をして、病人をこの世に引き戻すことが由来という説が一番有力のようです。
他にも
「医者殺し」という別名もあるのだとか。
昔の人は、キランソウの地面を這う形状を釜の蓋に見立て、
病気で死んで地獄へ行こうとする人を、
万病に効くその優れた薬効で守ってくれる、
言い換えると「地獄の釜に蓋をしてくれる。」と考えたのですね。
一度聞いたら忘れないようなインパクトある名前
「地獄の釡の蓋」
とは、
何とも心強い、有り難い名前だったのです。
今まで「勝手に増える雑草」と思っていてごめんなさいと、
カメラを構えつつ謝りました。
正に、「雑草という名の草はない(昭和天皇)」ですね。
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