下の記事に載せた通り、
渋谷さんより沢山の美しい花々を頂きました。
白いお花が多かったこと、今月は旧暦の卯月で
志野茶盌の国宝、卯花墻を扱うこと等
様々な条件が重なりましたので
土曜のお稽古では急遽、
最初に花寄を行うこととしました。
(上と下の写真がbefore afterとなって
おります。)
その様子について、小沼さんが教養と情感に
溢れる素晴らしい文章で纏めて下さいました。
下に掲載させて頂きます。
5月からお茶碗の勉強は志野になりました。
今週は先週に引き続き、国宝「卯花墻」そして「羽衣」「広沢」です。
志野のお茶碗は色目にもなんともいえない趣があり、また見る角度によって猛々しく感じたり嫋かにも見えたり、いくら見ていても飽きない茶碗だと思います。
さて、今日(5/16)は
通常のお稽古の前に“花寄せ”をいたしました。
先生方をはじめ総勢13名
(1人2回生けました)の社中の者達が籤で順番を決め、
床の間に並べられた花器に順次花を生けていくという趣向です。
テーマは『卯月の花寄せ』。
用意された花材、花器は以下の通りです。
・花材…卯の花、柘植、白芍薬、雪の下、蕺草(ドクダミ)、白露草、山法師、七竈、萱草、土佐水木、茉莉香、狗尾草、山牛蒡、マーガレット、小判草
・花器…光悦垣、舟徳利、根来塗り、箙、魚籠、北山杉、うづくまる、墨壺、春日野花籠、手付き籠(3種)
更に1、8、14番を引いた人は卯の花を生けるという縛りもありました。
自分より前に生ける人がどこにどの花を使うのか全くわからないので、
事前には考えることができず、その場で床の間でのバランスを 考えながら生ける、
行き当たりばったりのようですが、社中皆で力を合わせとても素晴らしい床飾りが出来上がりました。
お軸は「薫風自南来(くんぷうはみなみよりきたり)」。
社中の谷さんの筆です。
咲き誇る白い花々と新緑の香を漂わせる風。
教室中を爽やかに吹き渡ってくれました。
花よせの後は通常通りのお稽古を致しました。
今週は特に「茶箱」と「長尾」に重きを置きました。
卯の花垣といえば、
清少納言が不如帰の鳴き声を聴きに行った帰りに牛車の至る所に卯の花の枝をさして飾ったので、
まるで「卯の花垣」を牛の背に乗せたようだと皆で盛り上がったと枕草子に書いてあります。
王朝の 雅な人々も初夏の清々しくも華やかな卯の花を好んだのですね。
小沼さんは卯の花を入れる8番を引かれたのですが
篭の花入れを垣根に見立て、卯の花墻にされた時には
一同皆、さすが小沼さんと感服しておりました。
土曜の皆様は元々仲が良く、チームワークが抜群で
積極的、自発的に学ばれる方が多いのですが
小沼さんは元々の広いご経験や知識を元に、
お稽古でも実に多くの事を吸収し、活かして下さっていると感じています。
他の皆様にもとても刺激になっているようで、
木曜のお稽古の方にもファンがいらっしゃる程です。
私もいつも勉強させて頂いてます。
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