12/14 応挙館にて②

「平曲会と平曲講座」に参加して

 


12月14日、紅葉降り敷くなか、

東京国立博物館応挙館において、

第三回荻野検校顕彰会・平曲研究所共催の『平曲と平曲講座』が開催された。

今年も乙亥会は、供茶、呈茶を担当させていただいた。
赤穂義士討ち入りの日ということで、応挙作、松の古木が描かれた床には、

吉良氏首級のしるしとして掲げられたと伝わる桂籠に黄葉の残る蝋梅が置かれ、

暮れのひと時の静けさをみせていた。

 

鈴木まどか氏の「蘇武」の語りとともに、

森(点前)、谷(半東)による供茶が粛々と奉られ一同総礼し、開演となった。


その後 入澤美榮子氏、古川久美子氏、鈴木氏らにより、

平家正節二之上、二之下から「足摺」「文覚強行」「征夷将軍院宣」「鶏合」が奏せられ、

浅見太郎氏の弁舌さわやかな平曲講座が開かれた。

 

そして語られなかった七句に関しては茶道具で現すという楽しい趣向が凝らされていた。

 

鵺・・・・・抹茶【大内山】松倉茶舗・・・紫宸殿、内裏のことか
青山・・・・茶入れ【琵琶】・・・『青山』は、琵琶の名器の銘
敦盛最後・・・茶碗【笛】
殿上闇討・・茶杓【銀竹】・・・忠盛の竹光
祇園女御・・香合【打出の木槌】・・・法師の手瓶か
泊瀬六代・・菓子【泊瀬しぐれ】天平庵
横笛・・・・懐紙【高野槇】・・・時頼出家

 

呈茶に際しては、暖かいお茶をすみやかにお出しすることを最優先に考え、

社中の皆が心をひとつにして行ったが、いかがであったろうか。

 

次回に向けてさらに宗景先生のご指導の下精進致したい。

 

源平の人々や赤穂の義士たちの、

厳しい運命を静かにみつめながらも鮮やかに生きた軌跡に思いを馳せる一日となった。

 

海老原



呈茶で参加しました社中の海老原さんに

感想を書いて頂きました。

 

乙亥会として、

今回も貴重な会場で

大変貴重な経験をさせて頂きました。


まどか先生、荻野検校顕彰会、

文化庁に改めて御礼申し上げます。


有難うございました。