4/26_第22回花の式 松永耳庵

於 松永記念館 老欅荘

濃茶席 松下亭

 

掛物  伊勢物語 東下り 第九段 雅子筆

花   庭のもの 花入 松下亭

香盒  浜土産 比叡山 雅子造

釜   阿弥陀堂釡 松下亭

炉縁  木地 松下亭

水指  甲午みかん 梶田正一造

茶入  四方染付「太公望」つまみ電球 

    會澤俊英作

袋   杜若 雅子造

茶盌  屋久杉 刳りぬき抹茶碗 川下幸徳作

出帛紗 七宝鱗雷段紋錦 龍村

茶杓  月 雅子書 共歌筒 後撰集

建水  唐銅 松下亭

蓋置  井戸のぞき 伊勢物語第三十三段 筒井筒

茶   山雲の昔 竹茗堂(静岡)

菓子  耳庵まんじゅう 盛月製(箱根板橋)

菓子器 八寸 藤井博文作

 

 

 

22回目となる花の式は、これまでと趣向を変え、小田原にて行いました。

今回亭主を務められた海老原さんは、茶道の他に和裁や連句にも励んでいらっしゃる方。

お道具も、その才能やセンスを活かして作られたり選ばれしたもので

どれをとってもご亭主様らしい、雅で心躍るものばかりでした。

 

お茶事に先立ち、下見と打ち合わせのために

何度も小田原まで足を運ばれたそうで

そのご苦労の結晶が

この日の為に用意されたという懐石のお弁当はじめ随所に表れておりました。

出席された皆様にとって大変思い出深い花の式になったのではないかと思います。

海老原さん、お疲れ様でした。

お客様としてお出で頂いた先生方、社中の皆様も有り難うございました。

 

  

以下、当日出席され、ご亭主様と長い友達でもいらっしゃる小寺さんの感想です。 

 

 

 

 

海老原さんの花の式は、あたたかく気持ちの良い

穏やかな快晴の日となりました。

場所は、松永記念館・老欅荘(ろうきょそう)。
電力王と称され、実業界で活躍し、

益田鈍翁(どんのう)、・原三溪とともに

近代三茶人として有名な松永安左ヱ門耳庵(じあん)が

昭和21年に所沢市から小田原に移り住むために

建てられたもので、

その名称は、登り口にそびえる

欅(けやき)の大木(樹齢約400年)

に由来しています。

 

海老原さんの恩師である、俳諧師の小林先生、書道・俳句・花道の池田先生、ご家族の皆様、乙亥会の社中の方々等、総勢27名の参加となりました。

 

懐石は、「圓山まるやま」の彩り鮮やかな京懐石弁当、「浅草神谷バー」の‘電気ブラン’の美味しいお酒もあり、海老原さんが趣向を凝らしたおもてなしに場が華やかになり、美味・美酒に舌鼓をし、会話も弾み楽しい一時となりました。

 

薄茶は、お盆手前で乙亥会の社中が交代でお茶を点てました。
座には、使用する一つひとつのお茶碗に耳庵の生涯を通したエピソードが書いてある資料が置いてあり、お茶を頂いた人が使用したお茶碗の説明文を読み上げるという趣向もあり、楽しい会でした。

 

お茶菓子は、‘小田の梅’‘富士の溶岩’と海老原さんが、ご当地を考えて選択した美味しいお菓子でした。
特に、‘富士の溶岩’は人気が高かったですね。

 

濃茶は小間で海老原さんがお茶を点てくれました。
床の間には海老原さんの書が飾られ、厳かに行われました。
茶菓子は「耳庵まんじゅう」で、円やかで滑らかなこしあんが入っているおまんじゅうでした。
海老原さんの優雅で美しい身のこなしのお手前には、つい見とれてしまいました。

 

美しい新緑の緑、小鳥の鳴き声を聞きながら、また突然の、お猿さんの訪問もあり一時騒然としましたが楽しいお茶会でした。