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床 心清茶味香 紫野寛道

花 玉あじさい

花入 木瓜花入 芳光

香盒 柘榴 喜山

寄付 柘榴 勅使河原蒼風

 

今月、来月と、社中では2人のお孫さんが誕生される予定です。

そこで、今週のお稽古では安産祈願から鬼子母神を取り上げました。

 

鬼子母神とは、お休みになられた方と復習の為載せておきます。

 

 

鬼子母神様はお釈迦様のお説きになられた「法華経」というお経のなかに説かれる神様です。お名前をサンスクリット語(古代インドの言語)でハーリティー”(Hariti)といい、これを訳して“鬼子母神”または音訳して、“訶梨帝”(かりてい)などと呼ばれます。

 

鬼子母神様には、ひとつの伝説があります。

鬼子母神は般闍迦(Pancika パーンチカ)と云う神様の妻であるとても美しい女神で、500人ものたくさんの子どもがいました。鬼子母神はこの愛する子供たちを育てるため人間の子供をさらってなんとこれを食べていたのです、人間達は子供たちをさらわれることを恐れ苦しみ、お釈迦様に相談しました。 

 

お釈迦様は一計を案じ、鬼子母神がもっとも可愛がっていた一番下の子供の姿を神通力によって隠してしまいました。鬼子母神は嘆きそして悲しみ、必死になって世界中を気も狂わんばかりに探し回りましたが、勿論見つかるはずもなく、途方に暮れついにお釈迦様の元に行き、自分の子供が居なくなり見つからないことを話し、助けを求めました。

 

 お釈迦様は鬼子母神に「500人の子供の内、たった1人居なくなっただけで、おまえはこのように嘆き悲しみ私に助けを求めている。たった数人しかいない子供をおまえにさらわれた人間の親の悲しみはどれほどであっただろう。その気持ちがおまえにも今わかるのではないか?」とはなし、「命の大切さと、子供が可愛いことには人間と鬼神の間にも変わりはない」とおしえられ、子供を鬼子母神の元に返しました。

 

 鬼子母神はお釈迦様の教えを受け、改心し以後は全ての子供たちとお釈迦様の教え、またお釈迦様の教えを信じる全ての人たちを守ることを誓いました。これ以降、鬼子母神は鬼ではなく仏教・法華経と子供の守り神となりました。

 

 「鬼子母神様って?」より引用

 

 

 

仏像や絵画の鬼子母神には

「恐れ入谷の鬼子母神」で知られる入谷の真源寺に代表されるように

恐ろしい形相で合掌する鬼女型と

優しい顔で微笑み子供を携える天女型がありますが、

天女型の鬼子母神は右手に柘榴を持っています。

 

柘榴は1つの実の中に沢山の種子が存在することから

子孫繁栄を表す縁起の良い果物「吉祥果」として知られています。

中国だけでなく、ヨーロッパの宗教絵画などでも、女の人が柘榴を持っていることがあります。
この場合の柘榴もやはり、子孫繁栄の象徴です。

実際、柘榴の中でも黒柘榴と呼ばれる、イランの一地方でのみ育つ品種には

女性ホルモンの一種であるエストロンが含まれており、薬用として珍重されています。

 

鬼子母神は、その子孫繁栄の柘榴を手に持つ、唯一の仏像です。

 

 

母子共に健康で、元気な赤ちゃんが生まれます様に。