7/11_13 短冊

床 短冊飾

釣瓶

棗 長刀鉾

茶盌 辰砂馬上杯

茶杓 銘 まつりばやし

花 祇園祭

花入 北山杉

 

 

先週までの短冊箱のお稽古で

皆様が書いてこられた作品を床に飾りました。

作品を一覧にまとめながら、今年は特に力作揃いだと思っておりましたが、

句歌の名人であられた小林宗離さんのことを想われて書いたかたが多くいらっしゃったとのこと。

 

この題材を、小林さんならどう詠むだろうか。

どんな語句を選ぶだろうか。

 

私自身も、自然と小林さんの昨年の作品等を思い返していました。

その結果、二十四年度と比べても、

それまでももちろん素敵な作品ばかりでしたが、

それに増して、ことばの美しく、情景の浮かぶ作品が増えたように思います。

 

実際に小林さん程の作品は詠めなくても、

私たちが歌を詠む時の道標になって下さっています。

これからも、天国の小林さんに添削をして頂く気持ちで作品を詠んでいければと考えております。

 

 

それぞれの6月。

名前を伏せてご紹介します。

 

 

平成廿五年度水無月作品集

 

いそいそと茶道へ向かう三ツ池路色も賑やう紫陽花のはな

―目にとめて祈りしアジサイ今年よりカメラも向けん絵にも描かん

 

越の風早苗に我に吹きわたる 

目にまぶし我にほほ笑む新芽の葉

天空に香るコーヒー格別うまし

絶え絶えのいきで登れば富士の山

山道の隣りの渓流輝きて

分水嶺多摩川荒川富士川のそのちいささを富士が見守る

山道に迷ったオジサン良い天気カエルのようなハルゼミの声

ホタル飛ぶそっとつかまえ手のひらにそのままはわせうちわにとめる

山頂や親子三人初登山シャクナゲの花冷たい湧水

孫たちと父の日兼ネて食事会還暦祝う楽しむ家族

シャボン玉美月上手にふわふわと色とりどりに風に吹かれて

試練の日空手に励ム母と子ハ梅雨にも負けズ体はつらつ

湧き水のひびき四方より能舞台

早乙女を迎へ清けし乙亥会

帰り道アゲハ蝶と雨宿り

店先に並ぶスイカでドラマー気取り

梅雨雲のちぎれて遠し航空機

まぶしさに影伝い行く梅雨の晴

山背吹くリヤスの岸は悠々と

梅雨の朝耳を澄ませば晴れの音

天乃川煌く星を跳び越えて我が背のもとにむかふこのとき

風が吹き梢もそよぐ八幡宮我が身も浄む夏越の祓

庭先の雨に紫映えわたる

カルガモに親の背追いし巣立ち待つ

あるがまま山アジサイにうるおいて

新しきことを始めん夏の日に風にふかれて思いつくまま

ふる雨にこころのうちは語らない華やかな傘さして歩かん

枇杷たわわ烏つつきて熟を知る

庭園のサツキの散りははかなくも泉の石のたくましさかな

夏来たりサザン復活元気でるお祭りさわぎ茅ヶ崎ライブ

日本一富士山ながめお茶をのむ世界遺産に登録うれし

あお柿や育ち盛りの児と四つ

長谷寺へ参りて傘のしずく落ちみあげたたずむ紫陽花の風

富士山世界遺産の声かかり宝来山も微笑みかわし

多摩川に群生していた月見草今懐かしく刺繍にこめて

九輪草羽鳥湖からの贈り物

焼けた肌麦わら帽子と蝉の声眩しさ残る父の微笑み

風涼しふわり蛍の子守唄

梅雨晴に小傘開いて駆け出す子

ソラハレテコボレルエミノアジサイ花