紙を何等分かに折ってから切り抜くもの等。
上『櫛』
江戸時代に流行した市松模様の櫛で、
黒々とした豊かな髪、美しさへの願いが込められています。
中央左『三つ鱗』
先ほどの鱗紋と同様、蛇を表すとされます。
音楽、芸事を司る弁財天の文様でもあります。
中央右『撫子』
万葉集や枕草子から登場し、今では女子サッカーで有名ななでしこ。
撫でる様に愛しい我が子という意味から、清楚で芯のある「大和撫子」へ。
そう育って欲しいと願う親の気持ちです。
下左『三つ巴』
巴の文様の起源は、弓を射る時に使う鞆を図案化したもので、もとは鞆絵であるという説や、
勾玉を図案化したものであるなどの説がありますが、
やがて水が渦を巻くさまと解釈されるようになり、
平安末期の建物に葺かれた軒丸瓦などに火災除けとして、巴紋を施されるようになりました。
その後、八幡神社の神紋として尊重されるようになり、
神事である祭りに使われる太鼓に描かれるようになりました。
意味は魔除けや防火、森羅万象を司る神々の霊妙なる働きを具体的な形として表したものと言うこともできると思います。
下右『三つ雁金』
雁金は、「よい知らせを運ぶ」縁起の良い鳥と考えられていました。
群れを成して飛ぶ三つ雁金は、絆を象徴しています。
中央『紙衣』
そもそも現在の七夕は、
(1)もともと日本の神事であった「棚機(たなばた)」
(2)おりひめとひこぼしの伝説
(3)奈良時代に中国から伝来した「乞巧奠(きこうでん)」
この3つが合わさったものと言われています。
乞巧奠は、中国の行事で7月7日に織女星にあやかって
はた織りや裁縫が上達するようにとお祈りをする風習から生まれました。
庭先の祭壇に針などをそなえて、星に祈りを捧げる、というものです。
やがてはた織りだけでなく芸事や書道などの上達も願うようになったのですが
紙で作られた着物は、裁縫の上達を願うものとして、
七夕飾りとしては古くから存在する、一番正統派なものと言えます。
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