5/9_11 to be free from all bias

床 青山緑水 泰道老師

花 茉莉花 小判草 チリあやめ

花入 網代四方籠

香盒 南瓜 タイ製

寄付 国宝 杜若 尾形光琳

 

 

5月に入り、炉から風炉へと切り替わりました。

木曜はとても清々しい気候であった為、外で茶箱のお稽古をしました。

この季節になると木々の緑がとても力強く、圧倒されるようです。

 

 

「青山緑水」

 

5月の禅語としてよく用いられます。

 

意味はそのまま、雄大な自然を言ったものです。

とてもイメージのしやすい言葉です。

 

個人的に、茶道で好まれる禅語には

「八角磨盤空裏走」のように、言葉を聞いても何のことやらさっぱり意味の分からない、

難解なものも多いですが

 

一方で

一般の人なら「だから?」と聞きたくなるような

当たり前のことを言っているものも、難しいものと同じくらい沢山あるように思います。

 

今回のものは当然後者ですね。

 

一見、「美しい5月の風景」の一言で片づけられそうな言葉です。

 

ただ、今勉強している禅の本によると

悟りを開くと、先入観から解放されるのだそうです。

その結果、身の回りの全てが初めて経験するように新鮮に映るのだとか。

 

自分の周りには青々とした木々が覆う山、そしてその緑の間を流れる水の輝き

 

それを生まれて初めて見たとしたら、どれ程感動するでしょうか。

身の回りの世界が、どれほど輝いて見えるでしょう。 

 

 

私自身、1歳8か月の娘と散歩をしていると、

蝸牛を見つけたり、たんぽぽの綿毛が飛んだり、

小さなことで目をキラキラさせて目一杯喜ぶ姿を目にします。

 

 

私たちは日々生活の中で知恵をつけ、

人生を積み重ねた人程それは豊富であるのが通常ですが

たまにはそうした経験則を取っ払ってありのままの自然と対峙できたら、理想ですね。 

 

 

 

*因みに「青山緑水」には前後に様々な言葉がついて別の意味合いを持つものもあるのですが、

今回はあくまでこの4字のみを掘り下げてみました。