3/21_23 利休忌を前に

床 松風

花 菜の花

花入 竹香炉形

棚 四方棚

水壷 泥七宝 須田作

茶通箱

棗 真塗 春斉

 

 

毎年、床に菜の花を入れるのは利休忌からと決められています。

ですから今週の花を見て、社中の皆様はすぐに利休忌とお気づきになりました。

 

 

 

お稽古は今週、来週と茶通箱です。

茶通箱は、もとは抹茶を持ち運ぶ通箱(かよいばこ)だったものを、

千利休が点前に用いたのが始まりと言われています。

箱に2種の茶を入れ、2回点前をします。

 

正客からお茶を頂いたという設定で行いましたが、

点前は自分の茶を謙遜し、正客の茶を褒める、

正客はその逆を、ということで

とても効果的な問答の練習になりました。

 

また、茶通箱そのものは一見、何の変哲もない、ただの木の箱にも見えがちですが、

良く見ると良し悪しがあり、

木目が真っ直ぐであり、その木目が箱の側面同士でつながっているものは

作り手の高い技術が伺えます。

そして箱を開閉する時の吸い付きや、木目の密度、長年の使い込み方など、

実は鑑賞するポイントはいくつもあるのです。

 

 

余計な塗りや装飾を一切省いた潔い見た目でありながら、

細部に職人のこだわりが生きている。

 

先週の

自分からは相手に褒められようと媚びることをせず、

ただ最高のパフォーマンスを目指す植物にも通じるところがあるように思います。

そう考えると茶通箱とはいかにも禅的であり、侘び茶人の好みそうなお道具であると感じました。