床 松風
花 菜の花
花入 竹香炉形
棚 四方棚
水壷 泥七宝 須田作
茶通箱
棗 真塗 春斉
毎年、床に菜の花を入れるのは利休忌からと決められています。
ですから今週の花を見て、社中の皆様はすぐに利休忌とお気づきになりました。
お稽古は今週、来週と茶通箱です。
茶通箱は、もとは抹茶を持ち運ぶ通箱(かよいばこ)だったものを、
千利休が点前に用いたのが始まりと言われています。
箱に2種の茶を入れ、2回点前をします。
正客からお茶を頂いたという設定で行いましたが、
点前は自分の茶を謙遜し、正客の茶を褒める、
正客はその逆を、ということで
とても効果的な問答の練習になりました。
また、茶通箱そのものは一見、何の変哲もない、ただの木の箱にも見えがちですが、
良く見ると良し悪しがあり、
木目が真っ直ぐであり、その木目が箱の側面同士でつながっているものは
作り手の高い技術が伺えます。
そして箱を開閉する時の吸い付きや、木目の密度、長年の使い込み方など、
実は鑑賞するポイントはいくつもあるのです。
余計な塗りや装飾を一切省いた潔い見た目でありながら、
細部に職人のこだわりが生きている。
先週の
自分からは相手に褒められようと媚びることをせず、
ただ最高のパフォーマンスを目指す植物にも通じるところがあるように思います。
そう考えると茶通箱とはいかにも禅的であり、侘び茶人の好みそうなお道具であると感じました。
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