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床 八風吹けども動ぜず

花 万作 土佐水木

花入 水盤

茶入 尻張 銘 稚児

仕覆 定家緞子

茶杓 銘 東風

寄付 春風の色

 

 

通常、花を入れる際剣山を使うことはありませんが、

床の言葉に合わせ、敢えて生け花のようにしてみました。

 

近年、禅がビジネスでも取り上げられることが増え、

かのスティーブジョブズも生前禅に親しんでいたと言います。

生身の人間関係にインターネットによる交流も加わり、

ストレスの多い現代社会において

心の拠り所、自分の在り方を説く禅に惹かれるのはとても自然なことですが

その中でも今回の「八風吹けども動ぜず」はビジネスマンに好む方が多いのだとか。

因みに、この「八風吹けども動ぜず」の心は、イコール坐禅の心だそうです。

 

 

この言葉は「八風吹けども動ぜず 天辺の月」と続きます。

 

「利・哀」とは、意にかなう、意に反する。

「毀・誉」とは、陰で悪口をいう、陰でほめる。

「称・譏」とは、目の前でほめる、目の前で悪口を言う。

「苦・楽」とは、文字通り苦しい、楽しい。

 

私たちの人生は、いつもこの八風に翻弄されています。

楽しいことがあればはしゃぎ、褒められれば驕り、

悪く言われれば落ち込み、相手を恨んだりします。

 

湖上の月はそういった風が吹く度に輪郭を歪め、形を見失ったりするものですが

天上の月はただ静かに、輝いています。

 

どんな強風にも負けない平常心・不動心を養いたいものです。