床 雪満天
茶杓 大高源吾「人切れば我も死なねばならぬなり」写し
脇床 白山茶花
小間花入 杣木
旅箪笥
茶器 長尾内海
棗 木地松蒔絵
茶盌 信楽
水壷 末広
今週は旅箪笥の稽古。
旅箪笥は利休が小田原の陣に用いました。
床は時節ですので赤穂浪士討ち入りに因んだ設えにしました。
この討ち入りと茶道、特に宗徧流の深いつながりについては、
平家琵琶も絡んできてとても書ききれません。
茶杓の句については、
赤穂義士・村松喜兵衛の作った狂歌
「人斬れば私も死なねばなりませぬそこで御無事に木脇差さす」
からとられたものと思われます。
上野の五條天神社に、大高源吾の遺品として懐中木刀が現存していますが、
この側面に上の狂歌がそのまま書いてあるそうです。
大高源吾が当時この歌をよほど気に入っていたのが分かります。
侍は人を斬れば、自分も無事では済まない。
そこで何事も起こらないように、自分は木刀をさしているのである、という意味ですが
その後の結末を知っている立場からこの言葉を見ると
なかなか意味深長であるような気がします。
社中の作品は担雪填井でした。
井戸を雪で埋めようと努力することは無意味なことです。
でも、周りから見れば無駄だと言われることに心血を注ぐこと。
それがその人の生き様となり、時に後世に伝わる程の味わいとなるのでしょうね。
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