12/13_15 雪の朝

床 雪満天

茶杓 大高源吾「人切れば我も死なねばならぬなり」写し

脇床 白山茶花

小間花入 杣木

 

旅箪笥

茶器 長尾内海

棗 木地松蒔絵

茶盌 信楽

水壷 末広

 

 

今週は旅箪笥の稽古。

旅箪笥は利休が小田原の陣に用いました。

 

床は時節ですので赤穂浪士討ち入りに因んだ設えにしました。

この討ち入りと茶道、特に宗徧流の深いつながりについては、

平家琵琶も絡んできてとても書ききれません。

 

茶杓の句については、

赤穂義士・村松喜兵衛の作った狂歌

「人斬れば私も死なねばなりませぬそこで御無事に木脇差さす」

からとられたものと思われます。

 

上野の五條天神社に、大高源吾の遺品として懐中木刀が現存していますが、

この側面に上の狂歌がそのまま書いてあるそうです。

 

大高源吾が当時この歌をよほど気に入っていたのが分かります。

 

侍は人を斬れば、自分も無事では済まない。

そこで何事も起こらないように、自分は木刀をさしているのである、という意味ですが

その後の結末を知っている立場からこの言葉を見ると

なかなか意味深長であるような気がします。

 

 

社中の作品は担雪填井でした。

 

井戸を雪で埋めようと努力することは無意味なことです。

でも、周りから見れば無駄だと言われることに心血を注ぐこと。

それがその人の生き様となり、時に後世に伝わる程の味わいとなるのでしょうね。