12/6_8 花の式「心」

床 公心如日月

花入七種 春慶・備前・北山杉・酒器・空色・青銅写・七宝写

香盒 蛤 陶兵衛 青海波紙釡敷

結界 屏風 行雲流水

炉縁 青海波蒔絵

棚 更好棚

水壷 山紅葉

茶器 大海

仕覆 秋津島結び

棗 三景

茶 無上 伊藤久衛門詰

主菓子 十八公 川原宗敦

器 黒縁青海波鉢

干菓子 しば栗 飛騨川上屋

    富士のこけもも藤太郎本店

 

 

「公心如日月」は伊藤博文をはじめ、時の総理大臣が書にしたためることの多い言葉です。

松山には秋山好古がこれを書いた扁額が残っているとのこと。

亭主はこのお軸を「ボロボロで…」とおっしゃっていましたが、

それだけずっと掛けられていた証拠、

御祖父様がいかに警察官という仕事に誇りを持ち、日月の心で職務を遂行されていたかが窺える気が致します。

 

また、今回のお道具には、青海波文様が多く登場しました。

ご本人曰く、「特に好んでいる訳でもないが気づいたら沢山あった…」とのことです。

 

末広がりでおめでたいなどとも言われますが、

ペルシャから中国を経て日本へと伝わったこの文様。

日本ではこの青海波の文様が、
穏やかな海をあらわすものとされ、
海がもたらす恵をよび起こす縁起の良い文様とされるようになったと同時に、
海が無限の広がりをあらわすことから、
「人々の幸せな暮らしがいつまでも続くように」という願いも込められているのだそうです。

 

これぞまさに公の心。

警察官→自衛隊→自衛隊と3代続けて公人であるご亭主の家に相応しい文様というわけですね。

 

 

 

前座の厳かな雰囲気とは一転、

後座では皆で花寄せを行いました。

 

ご亭主のお母様が撮られた富士の頂、夕日の写真。

木曜はその夕日にすっと向かうように正客様が数珠玉を入れられ、一同感動しました。

土曜の正客様もとても絶妙なバランスで美しく入れて下さいました。

中心が決まったお蔭で全ての花に調和がとれ、華やかな床が出来上がりました。

 

(1歳の娘もしばし魅入っておりました…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご亭主のご家族の絆、日本の温かさのこもったお茶事でした。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    海の防人 (土曜日, 15 12月 2012 14:45)

    青海波の文様にこめられた願い素敵ですね。
    日本は四方を海で囲まれている島ですから、海からの恵みがなくては生活していけません。

    小さい頃から趣味でサーフィンをしていますが最近は昔より海岸も汚れ海が汚くなってきていると感じます。

    「人々の幸せがいつまでも続くように」という願いとともに、海を大切にする気持ちをいつまでも忘れないでいたいと思います。


    後座の写真とお花もすごく素敵ですね♪

  • #2

    otoikai (月曜日, 17 12月 2012 10:21)

    海の防人様

    ご訪問、そして素敵なコメントを頂きありがとうございます。
    サーフィンで日頃から海に親しまれていることから
    海のありがたみをより実感されているのですね。

    おっしゃる通り、願いだけでなく、大切にするという能動的な考えと、行動力が伴わなくてはいけませんね。
    私自身はなかなか海に直に接することのない暮らしをしておりますが、
    海の防人様と同じ気持ちを持たなくてはいけないなと思いました。

    後座もお褒めの言葉をありがとうございます。
    ご亭主の心入れにより、
    富士をバックに花木で四季を味わうことが出来、日本の美しさを感じる席となりました。