手製和菓子帖(其の九)―十八公―

毎回好き勝手に稚拙な和菓子を作ってきましたが、

今回ついにお茶事の主菓子を作ることになりました。

 

今回のコンセプト「日本の心」、そして御祖父様からの流れ等をじっくりと反芻した結果、

松のお菓子を作ろうと決めるに至りました。

 

松は日本人にあまりに馴染みが深く、和菓子の意匠でもよくあるものですし、

雪とともに描かれることも多いのですが、

今回は美しく剪定され、美しく雪を載せた松ではなく、

海岸線の、荒々しく力強い松を感じて頂ける様に工夫しました。

 

以下が当日皆様にお配りした説明です。

 

 

 

 

 

十八公

 

きんとん餡(蓬餡・こし餡)・つぶ餡・氷餅

 

 

 

松は日本の心の象徴のような木であり、日本人が昔も今もいかに松を愛してきたかはもはや説明不用ですが、今回は防風林としての松を題材に選びました。

風や雪、波にさらされながら、体を張って海岸線を守る、その姿に自衛官、警察官のイメージを重ねました。

それに伴い、普通雪は真上から降りますが、風と共に海から打ち付ける様、あえて片側のみ降らせました。

(太平洋なら雪が右側、日本海なら左側でしょうか)

拙い出来ですがご容赦頂ければ幸いです。