11/22_24 欅・桧

床 時雨洗紅葉 大道老師

花 矮鶏檜葉 欅 小菊

花入 筒 備前

寄付 檜葉 犬琵琶

   利休筆 禁中御茶会記 臨書

 

 

今週は茶器に使われる木について勉強しました。

真塗の欅と、木目を生かした木地塗の檜です。

 

黒漆を何層も重ねた真塗は、よほど木地を薄くしないと厚ぼったく、重くなってしまいます。

欅は硬く、摩耗に強いので透けるほど薄く挽くことが出来、真塗に向いているのです。

逆に言えば、透けるほど薄く挽く技術あってこその真塗であるということですね。

 

ただし、欅は伐採してから枯れるまでの間に大きく反っていく性質があり、

それは大黒柱に使うと家を動かす程であるといいます。

ですから何年も寝かせないと使えないそうです。

 

因みに横浜市をはじめ、実に多くの自治体がシンボルに指定しているのが欅です。

六本木のけやき坂は毎年この時期イルミネーションが綺麗ですね。

 

 

対する檜は、日本では最高品質の建材として知られています。

耐久性、保存性、加工に狂いがないなど、あらゆる面において優れているからです。

世界最古の木造建築、法隆寺は檜を建材としたことによって現存していると言っても過言ではない程です。

他にも東大寺や伊勢神宮等、檜と縁の深い寺社仏閣は挙げればきりがないですが、

古事記でスサノオが使用していたのが最古の記述だそうです。

 

ちなみに檜というと「火天の城」で極めて重要な役を担っていますが、

映画では樹齢2000年の檜を撮影するために台湾でロケを行ったそうです。

今でも台湾には樹齢1000年を超える檜がまだまだあるんだとか。

 

茶器での檜は、その美しい木目を見せる為にわざと合口を接ぐ仕立てが用いられます。

別の木材を接ぎながらも違和感を感じさせず、滑らかにするのですから相当熟練した技術が必要となりますが、

その技もさることながら、見事に年を重ねた年輪への敬意が感じられますね。