軸は宗興筆 明歴々露堂々です。
玄侑宗久の『禅語遊心』に九月の言葉として載せられています。
「露」は熟語になると「表にあらわれる」、もしくは「はかない」という意味で使われることが多い漢字です。
この2つは一見かけ離れたようにも思えますが、自然科学を思えばごく普通のこと。
空気が露点以下に冷やされることにより「水蒸気」という目に見えないものが、目に見える状態=露になり、
気温の上昇とともにまた水蒸気に戻り、見えなくなる
というサイクルに基づくものでしょう。
この2つの因果関係に思いをやることは「現世」について、しいては禅について考えることにもつながるのかもしれません。
花は玉あじさいと白水引。
花入は曽呂利。
香盒は先週に続き砧蒔絵です。
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