9/6_8 白露

軸は宗興筆 明歴々露堂々です。

玄侑宗久の『禅語遊心』に九月の言葉として載せられています。

 

「露」は熟語になると「表にあらわれる」、もしくは「はかない」という意味で使われることが多い漢字です。

 

この2つは一見かけ離れたようにも思えますが、自然科学を思えばごく普通のこと。

 

空気が露点以下に冷やされることにより「水蒸気」という目に見えないものが、目に見える状態=露になり、

気温の上昇とともにまた水蒸気に戻り、見えなくなる

というサイクルに基づくものでしょう。

 

この2つの因果関係に思いをやることは「現世」について、しいては禅について考えることにもつながるのかもしれません。

 

花は玉あじさいと白水引。

花入は曽呂利。

香盒は先週に続き砧蒔絵です。